例えば休日前の夜。
会社の上司や同僚から、飲みの誘いがあったとしますよね。
「今日は予定がありまして」と返すと、「どこか行くの?」などと聞き返されることがあります。
そのときにですね、「今日は本屋に行きたいんです」なんて言った日には
「え、予定ないじゃない。今日は行こうよ行こうよー!」なんてゴリ押しされるんですよ。
いや、本屋からの読書っていう予定があるんですよ!!!察して!!!
今日は好きな作家さんの新刊発売日なんですよ。
来週は行きますから!今日だけは!!って言っても理解していただけない。
映画やジムだったらあっさり帰してくれることが多いのに、読書だと予定がないことになりがちなこの世界が憎い。
こんにちは、読書を思い知れ!ろこぶです。
読書って楽しいですよね。
楽しくない方もこんにちは。
というわけで、「祭火小夜の後悔」です。まつりびさやのこうかい、と読みます。
この本は、第25回日本ホラー小説大賞<大賞>と<読者賞>のW受賞という史上初の快挙を成し遂げております。
2018年10月に単行本として発売されており、2020年3月、待望の文庫化されました。
著者は秋竹サラダさん。この「祭火小夜の後悔」がデビュー作だそうです。驚嘆。ヤバ。ろこぶの語彙力のほうがヤバいですね。
文庫は300ページほどありますが、短編3つと中編1つといったような構成になっており、一気に読まなくても大丈夫。とても読みやすいです。
発売が2018年ですので、読んだ方も多いかと思いますし、ちょっと目を引くタイトルなので書店で見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ろこぶは単行本を書店で見かけてから気になっていたものの、なかなか単行本購入の勇気が出ず(単行本って場所取るのよね…)今年の春に文庫化されたを待っての購入となりました。写真が下手で本当にすみません。ろこぶは本当に写真がきれいに撮れません。諦めています。
こちらがろこぶの購入した文庫になります。
ほら、帯の下の部分切れちゃってますもん…。この切れている部分には「ヒロイン・祭火小夜の清楚な魅力にも惹かれました」と書かれていました。納得。
角川ホラー文庫ということで、怖さはあります。各エピソードごとに趣向が凝らされていて、斬新な怖さという感じはあります。ただ、血がドバー、というようなスプラッタ的怖さはありません。
なんとなく懐かしくなるような怖さで、夏休みの肝試しのような。
放課後の学校で遅くまで残ってしまい、真っ暗になった廊下が急に長く感じられるような。
このブログのタイトルに「夏、休日前の夜に読みたい」と入れたのも、そんなヒヤッとするような懐かしさを感じたからなんです。あと表紙の女の子(彼女がヒロイン、祭火小夜でしょう)の制服が夏服でトニカクカワイイ。
感想を大いに語るとネタバレになってしまいそうなので、詳しくは語りませんが、
プロローグから始まって
第一話 床下に潜む
第二話 にじり寄る
第三話 しげとら
第四話 祭りの夜に
からなる300ページは、本当に面白かった。
一話ごとに完結しているものの最終的には全体がつながっていく構成もさることながら、一話ごとの「怪異」の正体とその向き合い方には感心させられました。
また、ヒロインの祭火小夜が主張しすぎないのも良いのです。
彼女の、人の心に寄り添うようにさりげない、しかし有無を言わせない「怪異」との関わり方は物語を上手に誘導してくれているように思えます。「怪異」の知識など皆無のろこぶでも、その存在に恐れることが出来たし、「どういう意味だろう」と戸惑うことなくページを繰ることが出来ました。
そして、読み終わったときには涙を流していました。
(個人差があります。ろこぶは映画の予告でも泣いてしまうくらいの泣き上戸です。)
鮮烈。しかし苛烈ではない。
読後感も非常に良く「祭火小夜の後悔」というタイトルがしっくり来ます。
第四話の後、もう一度プロローグを読むことになるでしょう。
「ろこぶの予言」です。
さて、秋の気配が近づいていますが、夏の終りにこの「祭火小夜の後悔」。よろしければ手にとってみてください。読書を普段しない方でも入りやすい分量で、新しい怖さを発見できると思います。
この本のお供のおすすめはMORINAGAの大粒ラムネ。
美味しすぎる。あと、これもちょっと懐かしくて、学生時代を思い出させるんですよね。
甘酸っぱい、いわゆる青春の味って感じです。口の中で崩れ落ちていくような儚さも、この本の清楚さと清潔さに似合っています。
夏っぽくもあり、お手軽に近くのコンビニなどで買えるので、読書のお供にピッタリかと思います。
このブログでは、今後も定期的にろこぶの過去読んだことのある本や漫画の感想や、その本からろこぶがイメージした食べ物、飲み物、たまにはコスメやファッションなどもご紹介していきます。
次の記事では「祭火小夜の後悔」に続く2作目、こちらは文庫書き下ろしで2020年7月に発売されました「祭火小夜の再会」について書かせていただきたいと思います!
残暑厳しい時期ですが、みなさまくれぐれもご自愛ください。それでは良い一日を。
コメント
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