こんなアイドル推すしかない。プロジェクトぴあのは一気読み必至の新SF

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みなさん、アイドルって推したことありますか??

いつの時代にも根強い人気を誇る「アイドル」。
かわいい、かっこいい、歌がうまい、キャラがいい。
とにかくずっと見ていたい。

人生で一度もアイドルを好きになったことない人って、少ないんじゃないかしら。

「アイドル」

不思議な存在ですよね。

身近な存在ではない。
気軽に会えるわけでもない。
友達みたくおしゃべりしたり、気軽に連絡したり、遊びに行けることもないでしょう。

それでも、好きになる。
推してしまう。それがアイドル。

アイドルとは何か?
自分の理想を投影しても良い人物か。
目にすると癒される安定剤か。

それとも。

その瞬間輝く、現象か。

こんにちは。読者を思い知れ!ろこぶです。
読書って楽しいですよね。

アイドルが出てくる小説は星の数ほどあると思うのですが、
山本弘さん著「プロジェクトぴあの」に出てくる結城ぴあのというアイドルは、
本当に推せる。

「プロジェクトぴあの」

 

ようこそ旧人類(うすのろ)ども。

この挑戦的とも取れる一文から始まる物語は、あらゆる意味でぶっとんでいて、唯一無二のアイドルであり、どうしようもないくらいロマンのあるSFなんです。

「結城ぴあの」という1人の少女。いや、アイドル。そして科学者の、夢と人生。
宇宙の論理。空間の認識。芸能人となって沢山の人に知られるということ。
アイドル好きでも、SF好きでも必ずそそられる、そんな小説になっております。

正直、ろこぶは科学には疎いです。
無知と言ってもいい。科学だけではなく、なんせ理系はことごとく苦手で、説明されたそばからわからなくなっていく、ガチムチ
いや、ガチ無知

この本には、これでもかってくらい科学の専門用語も理論も出てきて、ろこぶにはそれが真実なのかとか全くわからないんですよ。
一つの小さな発見が、どれだけすごいことなのか。世界を変えるのかもうまく理解できない。
理論上はあり得る、とか、この場合の空間はこうなっているから、とか、死ぬほど出てきますが、なにもわかりません。
それでも無茶苦茶面白いんです。

…やばくないですか?
言っていることの半分もわからないのに。

でも、「結城ぴあの」が「可能だ」と言うから。
彼女がわかっているから。

それでいいんです、何とかなります。大丈夫なんです。

そう思えるほどの強さがある本でした。

「プロジェクトぴあの」は、2014年に単行本として刊行された作品で、2020年に二分冊で文庫化されております。

恥ずかしながらろこぶは、単行本の時はこの本を知らず、日課の本屋チェックで文庫新刊として置かれているのを見つけて気になった次第です。

ジャケ買いってやつです。
2冊に分かれていますし、何日かかけて読んでいこうと思っていましたが、一気に読んでしまって「ろこぶも何かを見つけてみたい」と本気で考えました。

既出の通り、物語の中で、結城ぴあのはアイドルです。

可愛らしく笑い、歌も歌います。テレビ出演もしますし、グループに属しているので他のメンバーとのやり取りなども垣間見えます。
アイドルとしてのぴあのも、もちろん「良い」です。

しかし、この個性の前には。
推すなんておこがましいとすら思える。

影響が、すさまじいです。

現実でも、千年に1人、や、一億人に1人の逸材、などと呼ばれる伝説的に美しく輝くアイドルは存在します。

ろこぶは男性アイドルにはあまり詳しくありませんが、それでも世界中にファンがいる男性アイドルもいますよね。

結城ぴあのが、現実世界にいたらどうなったか。

多分、それは「存在」も超えて、「現象」とよばれたのではないか、と
ろこぶは思います。

結城ぴあのは科学者で、それなのになぜアイドルになったのか。
その理由もぜひ、本書で確かめていただきたいですね。

先にも書いたとおり、文庫版は上下2冊になっています。

前に紹介した「祭火小夜シリーズ」と違い、長編になっているため、読書しなれていない方は手を出しにくいかもしれません。

しかし、これは丸々2冊使った、アイドル「結城ぴあの」の、プロモーションビデオであり、最高にとんがったSFです。

きっと、「印象的な一冊」になると思います。

アイドルと一緒に夢を見て、がっぷりとSFの世界に飲み込まれる、そんな日があってもいいのではないでしょうか。
それではみなさん、良い1日を。

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